各種検査について


▲超音波検査装置

心臓超音波検査(心エコー)

心臓超音波検査とは!?
非常に高い周波数をもつ音波(超音波)を心臓に向けて送信し、はね返ってくる反射波(エコー)を画像化して、心臓の状態を調べる検査。心エコーとも呼ばれています。
心エコーに限らず、超音波検査はX線と違って被ばくの心配がないので、妊娠や幼児に行えます。また短期間にくり返し行うことができます。
検査時間は20~30分程度です。
検査でわかること
心臓の大きさや形、壁の厚さ、弁の動きなどがわかります。また、ドップラー効果の応用によって、血流の状態も画像化することができます。血流の状態をみることで、弁の異常や心房中隔欠損症(しんぼうちゅうかくけっそんしょう)などのように生まれつき壁に穴があいているような病気も発見できます。
異常があるときに疑われる病気
心臓弁膜症、心筋症、心不全、狭心症、心筋梗塞(しんきんこうそく)、大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)、心膜炎(しんまくえん)、心房中隔欠損症や心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)など先天性心臓病などがわかります。
異常がみつかったら
負荷心電図、心筋シンチグラフィー、心臓カテーテル検査など、さらに詳しい検査をしていきます。

頸動脈超音波検査(頸部血管エコー)

頸動脈超音波検査とは!?
首のところには、心臓から脳に血液を送る頸動脈があります。この頸動脈に向けて、超音波を送信し、はね返ってくる反射波(エコー)を画像化して、頸動脈の動脈硬化がないかを調べます。
検査時間は30分程度です。
検査でわかること
動脈硬化が原因で、動脈の血管の壁(内膜)が暑くなったり狭くなっているようすを写し出すことができます。
頸動脈の動脈硬化が進んでいるほど、ほかの部位の動脈硬化も進んでいると考えられます。このことから、動脈硬化が原因となる心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳梗塞(のうこうそく)、大動脈解離(だいどうみゃくかいり)などの命にかかわる病気が発症する危険度を推測することができます。
異常があるときに疑われる病気
動脈硬化の進行度がわかるほか、脳梗塞(のうこうそく)、心筋梗塞(しんきんこうそく)、狭心症、大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)、閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)などの危険度もわかります。
異常がみつかったら
動脈硬化が高度である場合は、血液状態を把握するためにさらにカラードプラー法(血流の状態を色分けして表示する装置)を用いて狭窄の程度を調べていきます。

腹部超音波検査(腹部エコー)

腹部超音波検査とは!?
非常に高い周波数をもつ音波(超音波)を腹部に向けて送信し、はね返ってくる反射波(エコー)を画像化して、腹部の臓器の状態を調べる検査。臓器のようすがリアルタイムで観察できます。
一般的な腹部超音波検査では、おもに、肝臓、胆道、膵(すい)臓、腎臓、脾(ひ)臓、副腎などの臓器を観察していきます。下腹部の超音波検査では、膀胱(ぼうこう)のようすや女性では、子宮や卵巣のようすも調べられます(超音波検査)。X線とは違って被爆の心配がないので、短時間にくり返し行える特徴があります。検査時間は20~30分程度です。
安全でたくさんの情報が得られる診断能力の高い検査ですが、超音波の性質上、肺や胃、腸など空気を含む臓器は画像としてとらえにくいため、これらの臓器はあまり詳しくみません。また、脂肪は超音波をはね返す力が強いため、肥満の人ではよい画像が得られない場合があります。
検査でわかること
腫瘍(しゅよう)、ポリープ、炎症、結石(けっせき)などの異常を発見できます。
また、腫瘍ではその大きさだけでなく、どのくらいの深さまで達しているかなども調べます。
異常があるときに疑われる病気
脂肪肝(しぼうかん)、肝のう胞、肝硬変(かんこうへん)、胆のうポリープ、胆石(たんせき)、胆管拡張(たんかんかくちょう)、胆のうがん、胆管がん、膵(すい)炎、膵がん、腎のう胞、腎結石(じんけっせき)、水腎症(すいじんしょう)、胃がん、腹水(ふくすい)、大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)、副腎腺腫など。
婦人科領域の超音波検査では子宮筋腫、子宮内膜症、子宮がん、卵巣のう腫(しゅ)、卵巣がん、子宮外妊娠(しきゅうがいにんしん)、胞状奇胎(ほうじょうきたい)など。
泌尿器科領域の超音波検査では、尿管結石(にょうかんけっせき)、膀胱結石(ぼうこうけっせき)、膀胱がん、男性では前立腺肥大、前立腺がんなど。